ルカ22章・イエスが弟子たちと結ぶ王国の契約

「わたしは、ちょうどわたしの父がわたしと契約を結ばれたように、あなた方と王国のための契約を結び、あなた方がわたしの王国でわたしの食卓について食べたり飲んだりし、また座に着いてイスラエルの十二部族を裁くようにします。」(ルカ22:29,30)


ルカの記述によると、イエスは記念式を制定された際に、弟子たちと「王国のための契約」を結ぶと言われました。王国のための契約とは何でしょうか。


聖書は、早くもエホバがダビデに永遠に続くダビデの王国を約束されたことを示しています。(サムエル第二7:12-16)この時、天では、エホバは天におられたイエスダビデの王権を永遠に受け継がせることを話されたかもしれません。それで、その時、エホバはイエスと王国のための契約を結ばれたと言えるのかもしれません。



また、イザヤの時代にも、ひとりのダビデの子孫が「ダビデの王座」を「定めのない時に至るまで」保つという約束が語られました。(イザヤ9:6,7) エホバはイザヤに預言を与えると共に、この約束もおそらくみ子に語られたでしょう。



さらに、ダニエルの時代にも、エホバはイエスに王権を与えることを示す預言をされました。ダニエル7章の預言によると、「日を経た方」エホバ神が、「人の子のような者」に「支配権と尊厳と王国」を与え、その王国が「滅びに至ることのない」ものとなることが預言されています。(ダニエル7:13,14)


また、その支配権は、「もろもろの民,国たみ,もろもろの言語の者」つまり人類全体に及ぶものでした。(ダニエル7:14)


エホバ神は、この預言を預言者ダニエルに語られた時、将来イエスに永遠の王国を与えるという約束を天におられたイエスに対して再び確証されたと考えられます。エホバ神は、天の集会でイエスと結ばれた王国契約についてみ使いたちの前で公に話されたのかもしれません。(ダニエル7:9,10)


エスは、ご自分のことをしばしば「人の子」と言われ、支配権と王国が与えられる「人の子」がご自分であることを示されました。(マタイ8:20。ダニエル7:13)


また、同じダニエル7章の預言によると、「至上者に属する聖なる者たち」が定めのない時に至るまで「王国を取得すること」が予告されています。(ダニエル7:18) さらに、その支配権も全世界的な規模のものです。(ダニエル7:27)ですから、神の僕のある者たちは、イエスに与えられる永遠の王国に共にあずかることになっていました。


それで、永遠の王国の支配権を与えるという契約は、まずエホバ神とみ子イエスの間で結ばれました。


しかし、メシアであるイエスはそのために成し遂げなければならない条件がありました。イエスは地上で人間の「子供」として生まれなければなりませんでした。(イザヤ9:6,7)さらに、イエスは、「多くの人々の罪を自ら担う」ために、「自分の魂を死に至るまでも注ぎ出す」ことが求められました。(イザヤ53:11,12)「とがの贖い」が求められていました。(ダニエル9:24)


エスはエホバのご意志どおり、西暦1世紀に、人間の「子供」として生まれ、首尾よく、「贖い」を捧げられました。そのことを首尾よく行なって始めて、イエスはご自分の弟子たちにご自分と共に天で王になるという見込みを差し伸べることができました。ですから、イエスは、贖いの死を忠実に遂げる目前になって、記念式を制定された際、ご自分と共に将来王として支配するという契約を弟子たちと結ばれました。 (啓示5:9,10)



「座に着いてイスラエルの十二部族を裁く」というイエスの約束は、イエスの弟子たちが、イエスと共に神の民を支配するようになること、つまり神の王国受け継ぐことを意味していたでしょう。(サムエル第二7:12-16)


ヤコブによる書では、「各地に散っている十二部族」に宛てて、ヤコブは手紙を書きました。(ヤコブ1:1)この時、十二部族は神の民全体を意味していました。その神の民の中にはこの時すでに、非イスラエル人の神の民も含まれていました。


ですから、イエスが差し伸べられた「イスラエルの十二部族を裁く」という約束は、天的希望であれ地的な希望であれ神に信仰を持つ人々を支配することを意味していたでしょう。


王国のための契約は、パンとぶどう酒という表象物にあずかるイエスの弟子たちとイエスの間で結ばれます。イエスは、ご自分の弟子たちが、「わたしの試練の間わたしに堅く付き従ってきた」ゆえに、弟子たちと王国の契約を結ぶと言われました。(ルカ22:28)


ですから、王国のための契約を保つために、天的希望を持つクリスチャンは、試練のもとでもイエスに付き従うことが求められています。


今年2015年、イエスの死の記念式は、4月3日(金)の日没後に行なわれます。そこで、イエスと王国の契約を結んでいるクリスチャンは表象物にあずかることになります。


私は、エホバの証人の聖書の解釈に一部同意していませんが、エホバの証人はキリストの死の記念式を執り行ってキリストの命令に従っていると思います。また、記念式を年に一度忠実に行なっているのは、キリスト教の団体の中でエホバの証人だけではないかと思います。


西暦2014年にエホバの証人の記念式で表象物にあずかった人の数は、全世界で1万4121人でした。そして、記念式に出席した人の数は、全世界で2000万人近くになりました。今年も、記念式に出席して、天的希望を持つクリスチャンは、イエスとの王国契約を再確認し、イエスに付き従う決意を新たにしましょう。また、大群衆も記念式に出席してイエスの贖いがもたらす益を思い巡らすことができます。




Richard Scoop(meeting1)
4月3日金曜日エホバの証人の王国会館でキリストの記念式が催されます―出席してキリストの贖いに感謝を表しましょう