ルカ21章・エルサレムがローマの軍隊に囲まれることが預言していたもの

エルサレムが野営を張った軍隊に囲まれるのを見たなら、その時、その荒廃が近づいたことを知りなさい。その時、ユダヤにいる者は山に逃げ始めないさい。都の中にいる者はそこを出なさい。田舎にいる者は都の中に入ってはなりません」 (ルカ21:20,21)


 エスはルカ21章で、一世紀と世の終わりに二度成就することになる預言をされました。イエスエルサレムが野営を張った軍隊によって囲まれるのを見たなら、山に逃げるようにと助言されました。(ルカ21:20,21)なぜなら、大患難が近づいているからです。


 一世紀においては、エルサレムがローマ軍によって包囲され、最後には荒廃させられることによってイエスの預言は成就しました。
  

 エスは、さまざまな出来事を預言された後、「これらの事が起きているのを見たなら、神の王国の近いことを知りなさい。」と言われました。(ルカ21:31)しかし、一世紀には、エルサレムがローマの軍隊によって攻撃された後も、神の王国は、実現しませんでした。


 また、歴史家ヨセフスの「ユダヤ戦記」によると、一世紀のローマによるエルサレムの攻囲によって、110万人が死に、9万7千人が奴隷にされました。しかし、マタイの並行記述の中では、イエスはその患難を「世の初めから今に至るまで起きたことがなく,いいえ,二度と起きないような大患難」と述べています。(マタイ24:21)その時は、ユダとエルサレムにとって大変大きな災厄になりました。しかし、第二次世界大戦による犠牲者の数は、あるデータによると、5646万人です。


 一世紀のエルサレムの滅びよりも大きな患難が歴史上存在しますから、一世紀エルサレムに臨んだ災厄は、イエスが予告されたような未曽有の大患難ではありませんでした。そのような大患難はこれから将来に成就することになります。一世紀のエルサレムをローマ軍が攻撃して荒廃をもたらしたことは将来起こる大患難の予型となって、その大患難が必ず起こることを裏付けています。





Jesus predicts destruction of Jerusalem During the week of the Passover, Jesus Christ spoke many prophecies regarding the Jewish Temple, the Destruction of Jerusalem ARTIST: HERBERT RUDEEN(jerusalemdestruction9)
エスが予告されたローマ軍によるエルサレムの滅びは将来起こる未曽有の大患難を意味していました



 ですから、イエスが、ルカ21章で預言された出来事は、一世紀と、神の王国が実現する「事物の体制の終結の時」両方に成就するということが分かります。(マタイ24:3)


 それでは、エルサレムがローマの軍隊に囲まれて滅ぼされることは、今日では何を意味するのでしょうか。イエスは何を預言しておられたのでしょうか。


 エスは、ご自分の預言をされた時、ダニエルの預言を参照するようにと言われました。ダニエルの預言は北の王が三度、南の王に対する総攻撃を試みて、三度目には、成功することが預言されています。(ダニエル11:31,40)


 北の王の成功する三度目の南の王に対する総攻撃が大患難を意味するに違いありません。ですから、一世紀にローマ軍によって攻撃されたエルサレムに相当するのは、南の王だと思います。(ダニエル11:40,42)


 さらに、啓示の書に登場する緋色の野獣によって滅ぼし尽くされることになっている大娼婦大いなるバビロンに関する描写を調べてみると、多くの点でアメリカ合衆国に当てはまります。


 私は、北の王がどの特定の国家であるかまだ十分に判断できませんが、それはイスラム圏の国から現れてキリスト教を奉じることになる国家だと思います。(ダニエル11:38。啓示13:11)そのような国家はまだ存在していませんから、南の王を滅ぼすことになっている北の王は、まだ十分現れていません。


 しかし、現在アメリカはイスラム圏の国と軍事的に押し合っています。(ダニエル11:40)イスラム圏の国の中には、反米感情が強く見られます。さらに、啓示の書には緋色の野獣と十本の角が娼婦を憎むことが預言されています。(啓示17:16)それで、今日見られるイスラム圏の国々の反米感情は、大患難の時表される北の王の南の王に対する憎しみに発展することになるんだと思います。


ですから、イエスの助言によると、北の王の軍隊がアメリカを攻撃しようと準備をすることは、それが山や野に逃れるべきことを示すしるしであると思います。その時、イエスの助言に敬意を払う人々は山や野に逃れるべきです。アメリカに住む人は、遅くともその時にはそこから出る必要があります。(啓示18:4)
 

 ダニエルの預言によると、北の王は全部で三度南の王に対する総攻撃をしかけます。一度目は成功しますが、二度目は失敗に終わり、三度目には南の王を徹底的に滅ぼし尽くします。さらに、北の王は一度目に南の王に対する攻撃をしかける前に、自分の影響力の及ぶ富んだ地域を攻撃することになっています。(ダニエル11:24)


 以前、このテーマで記事を書いた2年前の2013年の時より、ずっと預言は明確になっていますが、まだまだ分からないことがたくさんあります。これからも私は聖書の預言の研究を続けて、聖書全体と、ダニエル書や福音書のイエスの預言や啓示の書の預言との整合性を調べていきたいと思います。


 これからも、聖書の預言に注意を払い続けられるようにお勧めします。



Rachel Titiriga(bible77)
これからも聖書の預言に注意を払い続けましょう