ダニエル3章・神はユダヤ人を火の燃える炉から救い出される

「もしそうとあれば,わたしたちの仕えているわたしたちの神は,わたしたちを救い出すことがおできになります。火の燃える炉の中から,そしてあなたの手から,王よ,[わたしたちを]救い出してくださるのです。しかし,もしそうされないとしても,王よ,ご承知ください。あなたの神々はわたしたちが仕えているものではありません。あなたが立てた金の像をわたしたちは崇拝いたしません。」(ダニエル3:17,18)


 バビロンの王ネブカドネザルは、高さが60キュビト(約26.7メートル)の金の像をドラの平野に立て、その奉献式を行いました。そして、ネブカドネザル王はバビロンのすべての行政官を集めて、さまざまな楽器の演奏がなされる時、ひれ伏してその金の像を崇拝するようにという命令を出しました。そして、ひれ伏して崇拝しない者は誰であれ、即刻火の燃える炉の中に投げ込まれると警告が出されました。


 それで、楽器が演奏されると、集まったすべてのバビロンの住民は像を崇拝しました。しかし、ユダヤ人のシャデラク、メシャク、アベデネゴは、その金の像を崇拝しませんでした。彼らは、エホバを崇拝していたので、あらゆる偶像崇拝を禁じる十戒に従っていました。(出エジプト20:4,5)


 ネブカドネザルは3人に対してそのことについて問いただしました。その時、3人は、冒頭の聖句のように答えました。3人は、エホバはご意志ならば、3人を火の燃える炉の中から救い出すことができるという確信を表明しました。しかし、それがエホバのご意志でなくて自分たちが火の燃える炉の中で滅びることになっても、ネブカドネザルの立てた金の像を決して崇拝しないと言い切りました。


 それで、王は憤怒して炉をいつもより七倍熱くするようにと命じ、3人を火の燃える炉に投げ込ませました。しかし、3人は、炉の中に投げ込まれても、何の害も受けませんでした。そして、炉の中には、3人の他にもう一人み使いがいました。エホバ神はみ使いを遣わして3人が炉の火から害を受けないように守られたのです。(ダニエル3:24,25)


 それで、ネブカドネザルは、3人に炉から出てくるようにと言い、3人のユダヤ人の神がほめたたえられるようにと言い、またいかなる人も3人の神に対して誤ったことを言ってはならないと命じました。(ダニエル3:26,29)王は、3人をバビロンで栄えさせる結果になりました。


 3人のユダヤ人が王の立てた像を崇拝しなかったことは、彼らが啓示の書の描写する政治組織を表わす野獣を崇拝しなかったことを意味しました。


 3人のユダヤ人は、エホバが将来復活させてくださるという約束に信頼を置いていました。それで、命を失う危険に直面してもエホバに忠誠を保ち、野獣の崇拝を確固として退けました。


 エホバは、私たちが野獣の崇拝を強制されたり、試練に遭わせられたりする時に、ご意志であれば、その試練から無事に救い出されることもあります。エホバは私たちを試練から救い出す力を持たれる神です。しかし、私たちは、3人のユダヤ人の冒頭の言葉のように、エホバからの奇跡的な救出を受けるにしても、死に直面したとしても、野獣の崇拝を避け、エホバ神に忠誠を保ちたいと思います。