ヨハネ11章・霊的な事柄に関心を持つ罪人

「実は,主に香油を塗り,その足を自分の髪の毛でふいて乾かしたのはこのマリアであり,その兄弟ラザロが病気だったのである。」(ヨハネ11:2)


 イエスユダヤ教の宗教指導者に対して、「あなた方に真実に言いますが,収税人や娼婦たちがあなた方より先に神の王国に入りつつあるのです」と言われました。(マタイ21:31)それで一世紀においては、最初にイエスについてきて弟子になったのは、収税人や娼婦のような罪人とみなされる人々でした。


 マリアはパリサイ人の家で、イエスの足に非常に高価な香油を塗り、髪の毛でふいたと述べられています。(ルカ7:38。ヨハネ11:2)


 マリアはどんな人だったのでしょうか。ルカ7章37節よると、「その都市で罪人として知られる女であった」と述べられています。それで、罪人という評判のある女でした。マリアの背景はそれ以上は分かりませんが、他の人から罪人と言われるような悪いことをしていたと思われます。その評判から考えて、マリアは売春婦だったのかもしれません。


 けれども、マリアは、その姉妹マルタと兄弟ラザロと共に、イエスから愛される弟子となり、イエスと親しく交わる間柄になりました。(ヨハネ11:5。ルカ10:38,39)マリアはイエスの話に深い関心を示す人でしたから、霊的な事柄に深い関心を示す人であったことが分かります。


 他にも例えば収税人の長であったザアカイは、「何でも言いがかりをつけて人からゆすり取ったものは,四倍にして元に返しています」と言いましたから、ザアカイは「ゆすり」のような犯罪行為をしていたことが分かります。しかし、ザアカイはイエスの話を聞くためにイエスを家でもてなしました。そして、悔い改めたことを示す業を行いました。


 それで、神の目から見て悪いことをする人でも霊的な事柄には深い関心を示す人がいること、そういう人でも悔い改めるならば、神に受け入れられ、イエスの弟子になることが可能であることが分かります。