啓示13章・ひょうと熊とライオンに似ている第一の野獣

「 さて,わたしの見た野獣はひょうに似ていたが,その足は熊の足のようであり,その口はライオンの口のようであった。そして,龍は自分の力と座と大きな権威をその野獣に与えた。」(啓示13:2)


 啓示13章に登場する第一の野獣はひょうに似ており、足が熊の足のようで、口はライオンの口のようでした。これは、第一の野獣に関して何を意味するのでしょうか。


 第一の野獣は、ダニエル7章の中でダニエルが見た幻を思い起こさせます。その幻の中で、四つの巨大な野獣が海から上って来ました。第一の野獣はライオンに、二番目の野獣は熊に、三番目の野獣はひょうに似ていました。四番目の野獣は十本の角がある際立って強い野獣でした。四つの巨大な野獣は「地から立ち上がる四人の王」を表わしていました。(ダニエル7:3〜7,17)ですから、ダニエル7章の野獣はダニエルの時代から次々に台頭してくる世界強国を表わしていました。


 ダニエル7章に登場する第一番目の野獣はダニエルが預言していた頃支配していた世界強国であったバビロンでした。第二番目の野獣はメディア・ペルシャ、第三番目の野獣はギリシャとそれから派生する四つの強国、第四番目の野獣はローマそしてそれから派生する諸国家を意味していました。


 この順序は、ダニエル5章28節に、バビロンの王国が、メディア人とペルシャ人に与えられることが述べられていることで、裏付けられています。また、ダニエル8章20,21節では、メディアとペルシャの王をギリシャの王が倒すということが説明されています。そして、歴史的に、ギリシャに取って代わり、聖書に出てくる神の民と大いに関係があったのが、ローマでしたから、ローマが四番目の野獣また王を表わしていました。


 啓示13章の第一の野獣はダニエル7章の中でダニエルが見た四つの巨大な野獣のすべての特徴を合わせ持っていました。それで、第一の野獣は、古代バビロン、メディア・ペルシャギリシャ、ローマそしてそれらから派生する王国の性質や特徴を持っているでしょう。
バビロンは、ライオンがおう盛な食欲を満たすために獲物を引き裂くように、周囲の諸国家を貪欲にえじきにしていきました。(詩篇17:12;57:4;104:21)メディア・ペルシャも熊が獲物を襲うように他の国家を襲うというという特徴を持っていました。(箴言28:15)ギリシャも、ひょうが早いスピードで獲物を襲うように、諸国家を襲うという特徴をもっていました。(ホセア13:7。ハバクク1:8)おうおうにして、主の日における政治組織も、古代の世界強国のような性質や特徴を示すことがあります。


 伝道の書3章15節には、「あったもの,それは前から既にあったのである。あるようになるものは既にあったのである」と述べられています。ですから、人間の政府の持つ性質や特徴は基本的に昔から主の日に至るまで変わらないと言えるでしょう。


 このことも、啓示13章の第一の野獣は主の日に登場する国家や政治勢力や政治支配者を含む政治組織全体を表していることを裏づけています。(第一の野獣が何を表わすかについては、詳しくは、2009年12月4日「啓示13章・十本の角と七つの頭がある第一の野獣」を参照してください。)


 龍である悪魔サタンは自分の力と座と大きな権威をその野獣に与えることができたのはなぜでしょうか。悪魔サタンは人の住む地のすべての王国をイエスに見せて、言いました。「この権威すべてとこれらの栄光をあなたに上げましょう。それはわたしに渡されているからです。だれでもわたしの望む者に,わたしはそれを与えるのです。」(ルカ4:5,6)それで、悪魔サタンは人間製の政府の権威すべては自分のものであり、それを自分の望む者に与えることができると言いました。そして、イエスはサタンの言葉を否定されませんでした。
 

 悪魔サタンは、エデンの園で、論争を持ち出したので、それを解決するために一時的に、人間製の政府の権威をすべて与えられています。このことについて詳しくは、「支配権の論争」2010年1月8日「ルカ4章・なぜ悪魔にすべての王国の権威が与えられているか」を参照してください。


 それで、野獣のどこの部分に対する崇拝も悪魔サタンへの崇拝につながります。ですから、真のクリスチャンは、第一の野獣のどこの部分も崇拝しないようにすべきであることが分かります。即ち、主の日に登場する国家や政治勢力や政治支配者を含む政治組織に対して、服して敬意を払うにしても、崇拝はしないようにすべきであることが分かります。



 

 (野獣の崇拝とは何かについては、2009年12月07日「啓示13章・野獣の崇拝とは何か」をご覧ください。)





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