啓示19章・野獣と偽預言者が火の湖に投げ込まれるとは

「そして,野獣は捕らえられ,それと共に,野獣の前でしるしを行ない,それによって,野獣の印を受けた者とその像に崇拝をささげる者とを惑わした偽預言者も捕らえられた。彼らは両方とも生きたまま,硫黄で燃える火の湖に投げ込まれた。」(啓示19:20)


 啓示19章には、野獣は偽預言者と共にとらえられ、最終的に両方とも火の燃える湖に投げ込まれることが述べられています。これは何を意味しますか。また、この記述からどういうことが分かりますか。
野獣は主の日における政治組織全体を意味しています。野獣の像とは、政治組織全体の偶像とも言うべき、国際的な政治組織を表わしています。


 では、偽預言者とは誰ですか。偽預言者はしるしを行ない、野獣とその像を崇拝する人々を惑わします。(啓示19:20)一方、啓示の書の13章に出てくる子羊のような二本の角のある野獣は、大いなるしるしを行なって、人類の前で火を天から下らせることをします。天から火を下らせるというのは、預言者エリヤのようです。(列王第一18:36〜38)しかし、子羊のような二本の角のある野獣は、エホバ神の預言者ではありませんから、偽預言者と言えます。


 また、子羊のような二本の角のある野獣は、野獣の像を作るよう唱道し、地に住む者たちに野獣の像を崇拝させます。(啓示13:11,14,15)この点からも、子羊のような二本の角のある野獣は偽預言者として行動していると言えます。ゆえに、偽預言者とは、子羊のような二本の角を持つ野獣を表わしています。


 アメリカ合衆国は1945年10月24日、国際連合を設立するのに率先し、国際連合軍として戦って国際連合が権威を増し加えるように働きました。そして、原爆を投下したり、原水爆実験を行なったりして、人類の前で火を天から下らせるという大いなるしるしを行いました。それで、アメリカ合衆国は、子羊のような二本の角のある野獣すなわち偽預言者であると言えます。そして、偽預言者は大いなるバビロンをも表わしています。


 硫黄で燃える火の湖とは何ですか。啓示21章8節には、「火と硫黄で燃える湖」は「第二の死を表わしている」とあります。(啓示20:14)第二の死とは何を意味するでしょうか。


 第一の復活つまり天への復活にあずかる者たちに対して、「第二の死は何の権威を持た(ない)」と言われています。(啓示20:6)彼らは、天へ復活する者たちは、不滅になっていますから、第二の死つまり復活のない滅びを経験することは決してありません。ですから、第二の死とは復活のない滅びを意味しています。


 それで、野獣と偽預言者が両方とも硫黄で燃える火の湖に投げ込まれるとは、野獣と偽預言者が完全な滅びを被り、二度と現れることはないという意味です。


 野獣と偽預言者が両方とも生きたまま滅びを被るとは何を意味するでしょうか。箴言1章12節には、罪人が罪のない者をひそかにねらって「彼らを生きたまま、・・・そっくり呑み込もう」と言うと述べられています。それで「生きたまま」滅びるというのは、だんだんと弱っていって滅びるのではなく、活発に活動している時に突然滅びることを意味しています。


 大いなるバビロンは、緋色の野獣と十本の角と戦うことになり、突然滅びてしまいます。(啓示17:16)大いなるバビロンは、生きたまま復活のない完全な滅びに処されてしまいます。(啓示19:3)大いなるバビロンすなわち偽預言者は、滅びた後、二度と現れることはありません。


 緋色の野獣と十本の角は、神のお考えを遂行しようとして、大いなるバビロンを滅ぼしますから、間接的にイエスとイエスに従う天の軍勢が、大いなるバビロンを滅ぼしたともいうことができます。(啓示17:17)


 緋色の野獣は、大いなるバビロンを滅ぼした後、しばらくの期間、「八人目の王」として支配します。(啓示17:11)しかし、最後に、イエスと彼に従う天の軍勢が、直接緋色の野獣を生きたまま永遠の滅びに処してしまいます。(啓示17:11)その時、野獣全体も滅ぼされてしまいます。


 それで、イエス・キリストと彼に従う天の軍勢は、間接的にまた直接的に主の日における政治組織全体を表わしている野獣とアメリカ合衆国を表わしている偽預言者を両方とも突然、第二の死に処します。それで、野獣と偽預言者が硫黄で燃える火の湖に投げ込まれたと表現されています。これは、最終的な結果から振り返って述べられているものだと言えます。


 聖書は、人間の政治組織が最終的には、永遠の滅びを被ることを述べています。私たちは、どんな政治的な実体も崇拝することのないようにしたいと思います。


啓示13章・子羊のような二本の角のある野獣の大いなるしるし

啓示17章・全地は大娼婦の淫行のぶどう酒に酔わされたか