裁き人9章・神はエルバアルの子になされた流血に報いる

「こうして神は,アビメレクが自分の七十人の兄弟を殺してその父に対して行なった悪事を帰り来たらせた。また神はシェケムの人々のすべての悪事も彼ら自身の頭に帰させた。エルバアルの子ヨタムの呪いが彼らに臨むためであった。」(裁き人9:56,57)


 裁き人の時代にギデオンつまりエルバアルは、ミディアン人の手からイスラエルを救い出しました。ところが、その後、イスラエルは、エルバアルの行なった救出の行為に報いてエルバアルの子たちに良くするどころか、エルバアルの子たちを殺しました。エホバはそれに対してどのように応じられたでしょうか。調べてみましょう。
 

 ギデオンは、多くの妻を持って七十人の息子を持つようになりました。その息子の中に、シェケムにいたギデオンのそばめの子アビメレクがいました。そしてギデオンが死ぬとすぐイスラエル人は、再びバアルを崇拝するようになりました。
 

 やがてエルバアルの子アビメレクは、「七十人が、すなわちエルバアルの息子たち全員があなた方を支配するのと、一人の者が支配するのとでは、どちらがあなた方にとって良いだろうか。そして、わたしがあなた方の骨肉だということを、ぜひ覚えていてもらいたい。」と、シェケムのすべての土地所有者たちに話しました。(裁き人9:2)


 ところで、イスラエル人が、エルバアルに王として治めるように求めた時は、エルバアルは、「わたしはあなた方を治めたりはしません。わたしの子もあなた方を治めたりはしないでしょう。エホバがあなた方を治められるのです。」と述べて、それを拒みました。(裁き人8:23)


 エルバアルは、エホバの王権に対して正しい認識を持って高潔に行動していました。シェケムの土地所有者たちはそのことを思い出して、アビメレクが、王として治めることを自分から申し出たことを退けるべきでした。ところが、シェケムの土地所有者たちはアビメレクの言葉に動かされて、銀七十枚を彼に与えました。


 アビメレクは、シェケムの土地所有者たちの好意の表われの銀七十枚を用いて、自分に付き添わせるために怠惰で不遜な男たちを雇い入れました。そののち彼は、何と自分の兄弟たち、エルバアルの息子たちすべてを殺すという残虐なことをしました。(裁き人9:4,5)


 エルバアルの一番下の息子ヨタムだけが、隠れていて生き残りました。その後すぐシェケムの土地所有者たちすべては、共に集まり、アビメレクが王として統治するようにしました。(裁き人9:6)シェケムの土地所有者たちは、アビメレクのエルバアルの息子たちに対する残虐な流血行為を是認したことになります。


 人々がそのことを伝えると、ヨタムは大声で人々に話しました。それは、一つのたとえ話と呪いでした。木々が自分たちを治める王に油をそそぐために出かけていき、オリーブの木と、いちじくの木と、ぶどうの木に王になるよう頼みましたが、それらの木々は断りました。最後に野いばらに王になるよう頼みました。野いばらは、その申し出を受け入れましたが、木々が野いばらの影の下に避難しないなら、火がこの野いばらから出て、木々を焼き尽くすというたとえ話でした。


 そして、ヨタムは、シェケムの土地所有者たちが、自分の異母兄弟たちを殺したアビメレクを王にならせたことを非難し、アビメレクと、シェケムの土地所有者たちとが互いに滅ぼしあうようにという預言的な呪いを述べました。(裁き人9:8〜20)


 そして、アビメレクは、イスラエルに対して三年間支配しましたが、その後神はアビメレクとシェケムの土地所有者たちの間に険悪な霊を生じさせました。(裁き人9:23)これは、エルバアルの七十人の子らに対してなされた暴虐の報いがアビメレクと彼に助力したシェケムの土地所有者たちの上に臨むためであったと聖書は記録しています。(裁き人9:24)


 シェケムにやってきたガアルがアビメレクとシェケムの都市の君ゼブルを悪く言った時、ゼブルはそのことをアビメレクに伝えます。そこでアビメレクは、直ちにシェケムを攻撃します。ガアルはシェケムの土地所有者たちの先頭に立って戦いますが、アビメレクは、シェケムの人々を次々に打ち倒していきます。ガアルはシェケムから追い出されましたが、アビメレクは、さらにシェケムを攻撃し、それを破壊して、そこに塩をまきました。(裁き人9:45)


 それから,残ったシェケムの土地所有者たち約1,000人は、皆エル・ベリトの家の丸天井広間に非難します。アビメレクは、そこに火を放ちました。その大火で、そこに避難していたシェケムの土地所有者たち皆、つまりアビメレクの以前の協力者たち皆が、焼死しました。


 アビメレクはこの勝利に乗じて直ちに北のテベツを攻めましたが,その都市の塔の上にいたある女が臼の上石をアビメレクの頭の上に投げ落としました。ひん死のアビメレクの求めに従って、その武具持ちが、アビメレクは女に殺されたと言われないよう剣で彼を刺し通して殺しました。(裁き人9:53,54)このようにして、アビメレクとアビメレクの以前の協力者だったシェケムの土地所有者たちは互いに戦い合って滅びてしまいました。


 冒頭の聖句にあるように、ヨタムの預言的な呪いの言葉の通りになりました。エホバは、エルバアルの息子たちに対する残虐な流血に対して復しゅうがなされるように取り計らわれました。


 エホバは昔も今も変わっておられません。(マラキ3:6)このことから、エホバは今日行なわれている罪のない人々に対する不当な残虐な流血行為を非としておられることが分かります。そしてエホバは、物事を操作してそうした流血行為を行っている人々が滅びるように取り計らうことができるということが分かります。


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