エレミヤ25章・七十年の荒廃に関するエレミヤの預言は成就する

「『そして,この地はみな必ず荒れ廃れた所,驚きの的となり,これらの諸国の民は七十年の間バビロンの王に仕えなければならない』。 『そして,七十年が満ちたとき,わたしはバビロンの王とその国民に対して言い開きを求めることになる』と,エホバはお告げになる。」(エレミヤ25:11,12)


預言者エレミヤは、バビロンによってユダの地が70年間荒廃することを予告しました。


エホヤキム王の統治の第四年に、預言者エレミヤにユダの地を七十年間、荒れ廃れたところにするというエホバの言葉が臨みました。(エレミヤ25:1〜11)しかし、七十年が満ちた時、バビロンは、神の民を僕としたゆえにエホバから罰を受けならなければならなくなります。(エレミヤ25:12〜14)


エレミヤ29章にも、「バビロンで七十年が満ちるにつれて、・・・わたしはあなた方をこの場所に連れ戻(す)」というエレミヤの預言がありました。(エレミヤ29:10)ですから、エレミヤの預言は、70年の荒廃の後、ユダの地に再びイスラエル人が住むようになることをも意味していました。


七十年は、どのように始まったでしょうか。エルサレムはゼデキヤの第11年に陥落しました。(列王第二 25::2‐4)それは、西暦前607年のことでした。バビロンが攻めて来た時に、大勢のエルサレムとユダの人々は剣で殺されました。また多くの人々は、バビロンに捕囚として連れ去られました。また、ユダの地にとどまることを許された立場の低い者もエジプトに逃げました。そのため、エルサレムとユダの地には、住む人がいなくなり、エレミヤの預言どおり全く荒廃することになりました。


ユダの地から立場の低い者たちが逃げたのは、「第七の月」つまり,9月から10月にわたるティシュリの月の頃でした。(列王第二 25:12,25,26)したがって、70年にわたる荒廃期間は西暦前607年10月1日ごろから数えられるようになり西暦前537年の第7の月に終わることになっていました。


では、七十年は、どのように終わったでしょうか。「ペルシャの王キュロスの第一年に、エレミヤの口によるエホバの言葉が成し遂げられるために、エホバはペルシャの王キュロスの霊を奮い立たせられたので」彼は、ユダの民の者は、エルサレムに戻ってエホバの家を建て直すようにというお触れを出しました。(歴代第二36:22,23。エズラ1:1〜3)




キュロスの円筒印章(大英博物館

ダニエルは、ユダの荒廃が七十年で終わるというエレミヤの預言に気づいたので、おそらく、キュロスは、その預言をダニエルから見せられたのでしょう。(ダニエル9:2)ダニエルは、エホバの言葉の預言者として、ペルシャの保護を受けてバビロンの倒壊を生き残ったのですから、キュロスに自分の知っている重要な聖書の預言を伝えたということは、十分考えられることです。キュロスは、おそらくダニエルから聞いたことに感動して行動したのでしょう。


エレミヤの預言通り、西暦前537年の「第7の月」までにはユダヤ人帰還者の第一陣がユダに到着していました。(エズラ3:1)それは、その地の完全な荒廃が始まってから正確に70年たった時のことです。70年で荒廃が終わるというエレミヤの預言は成就しました。(歴代第二36:17,20,21)


エホバの預言の言葉は正確に成就していくということが分かります。現代に関する聖書の預言の言葉も成就していくことでしょう。とりわけ、聖書は現代に国連と諸国家が大いなるバビロンを攻撃する大患難を予告しています。(マタイ24:15,21。啓示17:16)その大患難に関する預言も必ず成就することでしょう。私たちは現代に関する聖書の預言の言葉を考慮して、賢明に行動しましょう。


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