気分障害に取り組む(2)−外部の助けを求める

先回、「気分障害に取り組む(1)―うつ病」をアップしました。

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気分障害に苦しむ人が、自分の中に閉じこもり外部の助けを求めないことがあります。しかし、そうするならば、問題が長引いたり、悪化させることがあります。そして、中には、気分障害に対処しきれずに、自殺をしてしまう人もいます。気分障害に対処する上で、外部の助けを求めることが必要です。多くの人は、気分障害に対処する上で、宗教が助けになることを認めています。また、今では,うつ病双極性障害は病院や薬で対処できる場合があることがよく知られています。                          
治療をすることによって多くの人が回復する


うつ病は、治療をすると治るのでしょうか。ウィキペディアによると、日本での研究では、6か月程度の治療で回復する症例が、50パーセント程度であるとされています。多くの症例が、比較的短い治療期間で回復します。しかし、必ずしもすべての症例で、簡単に治療が成功するわけではなく、様々な経過をとる可能性もあります。


しかしながら、半分の人が病院での治療によって回復しているということは、専門家の助けを求めることが賢明であることを示していると思います。イエスは病人には医者が必要だと言われました。(マルコ2:17)ネットに、繰り返し自殺を図る程の重症のうつ病であったにもかかわらず、医師の言う通り、薬を服用し続けた結果、うつ病が完治したという経験も載せられています。もちろん、その方は医師の助けだけでなく、家族など周囲からの助けも得ました。


助けを求める必要性


日本では、メンタルヘルス障害の有病率は他の先進国に比べて、決して高いわけではありません。しかし、日本は、自殺率では、先進国の中でも、もっとも高いグループに入っています。しかし、日本のメンタルヘルス障害をかかえた場合の受診率は先進国の中で最低です。ですから、日本の場合は、メンタルヘルス疾患の患者が多いのが問題なのではなくて、むしろ病気にかかっても病院にもいかず、外部に助けを求めないことが問題なのです。そして、自分だけで問題を抱え込み、自殺に至る人が多いと考えられます。


このことは、医者であれ、公的機関であれ、友人や家族であれ、外部に助けを求める必要性を示しているでしょう。さらに、日本の場合は神の助けを求めないことも、自殺率が高い理由のひとつだと思います。


聖書の神に頼ることによって得られる助け


諸国家の自殺率は、その国民が気分障害に悩まされているかどうかをある程度、示しています。世界で最も自殺率が低い国家は、いずれも宗教的な国家です。例えば、ヨルダンやハイチは、世界で最も自殺率の低い国家の中に入っています。どちらも、宗教色の強い国であり、ヨルダンは、イスラム教の国であり、ハイチの主要な宗教はキリスト教です。もちろん、私はイスラム教を支持しているわけではありませんし、ハイチのキリスト教の組織にすべて同意をしているわけではありません。しかし、こうした事実は、わたしたち人間が感情的平衡を保つために、神に頼る必要を持っているという厳然たる事実を裏付けていると思います。


是非、聖書を読み、聖書の神に祈って助けを求めましょう。聖書は、聖書の言葉を「朗読する者」は「幸い」を得られると述べています。(啓示1:3)また、詩編作者は、「助けを求める」「祈り」を捧げました。(詩編102:1)そして、聖書は神が「義なる者たちの祈りを聞いてくださる」と述べています。(箴言15:29)



気分障害に対処するために聖書の神からの助けを得ましょう


医療に効果がある場合


うつ病の原因のひとつは、脳の神経伝達物質がうまく働かなくなっていると考えられています。抗うつ薬は、セロトニンノルアドレナリンなどの神経伝達物質を増加させる作用を持っています。そのため、薬が効果的なことがあります。


抗うつ剤の投与によって、落ち込んだ感情が劇的に改善し、普通の精神状態を保つことができるようになったという経験もネットに数多く見られます。さらに,問題に対処する方法を学ぶ助けとして,カウンセリング・プログラムが勧められるかもしれません。両方を組み合わせて良い結果が得られる場合もあります。



医療の助けも気分障害に対処する助けになります


レノールは自分の経験をこう語ります。「1年間,ほとんど寝たきりの状態でした。そんなある日,少し力が出てきたので,医師に電話して診察を受けることにしました」。レノールは双極性障害であると診断され,薬が処方されました。それは生活上の転機になりました。こう述べています。「薬をのむと普通の気持ちになります。でも,のむのをやめれば,以前の症状がみな戻ってくることを絶えず思い出す必要があります」。それで、人によっては、坑うつ薬が大きな助けになります。


うつ病を抱えるブランドンも同様にこう語っています。「十代の少年のころは,自殺することをよく考えました。自分は無価値な人間だという気持ちに圧倒されていたからです。30代になるまで医師のもとに行きませんでした」。


ブランドンも,レノールのように薬をのんで障害に対処しています。それで、医療の助けを得ることは、気分障害に対処する一つの方法です。しかし,多くの人は、医療の助けを得るだけでなく、他の点にも気を配っています。「全体的な健康を保つため,心身の両面に気を配っています。休息を取り,食事にも注意しています。また,思いと心を聖書からの積極的な考えで満たすようにもしています」とブランドンは述べています。


薬で治る場合と治らない場合


本人の性格や考え方に起因していない、脳内の神経伝達物質の低下した働きが原因のうつ病は、抗うつ剤がよく効きます。とりわけ、軽いうつ病ではなく、重症うつ病の場合、坑うつ薬が効果がある場合が多いと言われています。その場合、基本的な治療法は、薬を服用して、十分な休養をとって回復を待つことであるとされています。


しかし、本人の考え方や現在の環境が原因でうつになっている場合、抗うつ剤は効きません。その場合は、本人の環境を変えたり、考え方を調整したりする必要があります。多くの精神科医や公的機関が差し伸べているカウンセリングも、本人の考え方を調整する助けになるでしょう。


エホバに頼りつつ医療を活用する


エスは病人には医者が必要だと言われました。(マルコ2:17)しかし、一世紀に自分の病気のためにさまざまな医者にかかり資産を使い果たしても、かえって症状が悪くなった女性もいたことを聖書は記録しています。(マルコ5:28,29)ですから、多くの場合、わたしたちは医療から益を得られますが、医療に頼っても、十分助けが得られない場合もあります。坑うつ薬の副作用によって、気分障害が悪化する場合もあるかもしれません。聖書は、第一に天と地の創造者エホバに頼るように勧めています。(詩編118:8,9;146:3−5)エホバに頼って、知恵を求めつつ、さまざまな外部の助けを活用して、気分障害に対処しましょう。(ヤコブ1:5)

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気分障害に取り組む」は(1)〜(4)まであります。(1)うつ病(2) 外部の助けを求める (3) さまざまな助け (4) 他の人たちはどのように助けになれるかです。次回は気分障害に対処するためのさまざまな助けについて取り上げたいと思います。

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