(7)死者の状態と死者に対する崇拝と復活の希望

多くの人は、人間は肉体と霊魂によってできていると考えています。そして、死んだ後、霊魂が残って、死者は霊の世界で意識が存続していると考えています。 そして、死者は生きている人のために良いことをしてくれたり、災いをもたらしたりすると考えています。また、人が死んだ後崇拝されることがよくあります。


聖書は、死者はどんな状態にあると教えていますか。私たちは死者に対してどのような態度をとるべきですか。また、死んだ人々にはどんな希望がありますか。


死者の状態は、人間がどのように創造されたかを調べれば分かります。聖書は、人が創造される前は存在していなかったと述べています。聖書は、エホバ神が最初の人間を「地面の塵で」形造ったと述べられています。(創世記2:7)ですから、聖書によると神は人間を地面の塵つまり土の諸元素から造られました。そして、神はアダムが罪を犯した時に、「あなたは・・・ついには地面に帰る。あなたはそこから取られたからである。あなたは塵だから塵に帰る。」と言われました。(創世記3:19)



あるサイトによると、人体には69種類の元素が含まれているそうです。しかし、人間は、死ぬと土葬される場合もあるのですから、人体に見い出される元素がみな土の中に見出されるというのは、当然です。また、通常の形態は気体の元素であっても、化合物の形で個体として土の中に存在するでしょう。例えば、酸素は通常気体ですが、他の元素を酸化して化合物を作り、岩の中に存在しています。とにかく、人間は、植物を食物とすることにより、土の中の諸元素を取り入れており、土の中の諸元素に依存しています。


《人間の体を作る元素について》

人間構成元素



Touch Healthy Soil by NRCS Soil Health(soil)
アダムの体は土の塵すなわち土の中の諸元素から作られました


エホバ神は最初は命のなかったアダムに生命力を与えて呼吸を始めさせました。その後アダムは生きている人間になりました。




Man sleeping by WarmSleepy(adamsleeping)
神はアダムの体を土の中の諸元素を用いて作られ命を与えてアダムは生きた人間として存在するようになりました



それで、アダムは創造される前は存在していませんでした。そして、アダムは罪を犯したために、最終的に死んで「塵に帰る」と言われました。(創世記3:19)それは、もともとアダムは塵で、そこから取られたからです。人間は、この地上に母親の胎内に生じる前は存在していません。そして、死ぬと生まれる前の状態に戻ります。


幾つかの聖句が、このことを裏付けており、死んだ人が意識や感情を持っていないことを示しています。「死んだ者には何の意識もな(い)」と述べ、また死ぬと、「その愛も憎しみもねたみも既に滅びうせ(る)」と述べています。(伝道の書9:5,6)



Infant's Tomb by francisco.j.gonzalez(tomb1)
死んだ人は土になっているので意識がなく感情も滅びています


さまざまな人々が死後崇拝されることがあります。ある人々は、国のために戦って死んだために、その犠牲が尊いと考えられています。しかし、神にとって人の命は大変貴重です。ですから、無実の人の命を奪うならば、それは神にとって忌むべきことです。ですから、無実の人々の命を奪った人をあがめるのは正しいことだとは言えません。また、たとえそれらの死者を崇拝しても、死者は生きている人のために何もしてくれるわけではありません。



東条英機−死者を崇拝しても生きている人のために何もすることができません(tojo)



4YrSoilStructure025 by USDA NRCS South Dakota (soil2)
人は死ぬと地面の塵に戻っているので生きている人のために何もすることができません



ある人々は、死んだ人が霊界に存在している証拠として、心霊写真や、死んだ人の声が聞こえるということをあげる人がいます。しかし、聖書によると悪霊は人々が死んでも生き続けていると信じさせたいと望んでおり、さまざまなことをしています。悪霊は、人に光体を見せることができます。(マタイ2:1,2。申命記18:10−12)悪霊は人に声を聞かせることができます。(ヨブ4:12〜15)サタンや悪霊は人に不思議なしるしを見せることができます。(テサロニケ第二2:9)それで、死んだ祖先を崇拝することは、実際には悪霊を崇拝することを意味します。(コリント第一10:20)



Ghost by willismonroe (ghost1)
悪霊は死んだ人のふりをして現れることができます
幽霊の不思議な現象は悪霊の仕業です


では、死んだ人にどんな希望があるのでしょうか。聖書は「義者も不義者にも復活がある」と述べ、人間に命を与えた創造者が、 死者を地上に復活させる時が来ることを約束しています。(使徒24:15)その時には、地上は楽園になっており、国家の障壁はなくなり、戦争はなくなっています。復活した人々は、神のご要求を正確に知ることになります。



A Brothers' Embrace by Aaron Jack(hug1)
地上の楽園でエホバ神により復活させられた愛する家族と再会することができます


それで、聖書は、この復活の希望を知らない人々のように過度に悲しまないようにと述べています。そして、死んで土に帰る人間を崇拝するのではなく、人間に命を与える創造者を崇拝するようにと勧めています。聖書は実際、崇拝は神にのみ属すると述べています。(マタイ4:10)私たちは、死んだ人を崇拝するのではなく、永遠に生きておられ人間を含めてすべての生き物に命を与えまたこれからも与えることができる全能の創造者エホバ神だけを崇拝しましょう。



Sun by Chris_Eden (sun2)
死んで何もできない人を崇拝するのではなく人間に命を与えることのできるエホバ神を崇拝しましょう

 
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