(10)聖書の預言は信頼できる

 聖書は、預言の書です。聖書には、過去に成就した多くの預言が含まれています。聖書の過去の預言が成就していることは、まだ成就していない預言が必ず成就することに対する私たちの信頼を強めます。また、私たちが預言に調和して行動する時に、最善の結果になることを知ることができます。


 聖書の預言が成就したことは、ある場合、聖書そのものの中に書かれています。また、歴史を調べてその成就を知ることができる場合もあります。


 聖書は、世界強国が移り変わることを預言してきました。また、それらの国家がどのように倒壊するかも、預言していました。今日、そうした聖書の預言が成就したことを知ることができます。また、聖書は、現代に起こることを預言しています。その預言の中には、成就してきたものもあれば、まだ成就していないものもあります。


 例えば、聖書は古代バビロンがメディア・ペルシャ帝国に滅ぼされることを預言していました。キュロスという名のペルシャの支配者が、バビロンに流れるユーフラテス川を蒸発させ、バビロンを倒壊させることを預言していました。また、キュロスは、バビロンに囚われたイスラエル人を解放し、エルサレムに人を住まわせ、エホバの神殿の土台を築くことになっていました。(イザヤ44:26−28)それは、成就しました。


 一時は権勢を誇った古代の大都市であったバビロンは「必ず石の山・・・となり,住む人もいなくなる。」ことが預言されていました。(エレミヤ51:27)実際、バビロンは今日石の山となって、そこに住む人はいません。




バビロンは預言通り石の山となっており住む人はいません(babylon1)



 また、キュロスの円筒印章にはペルシャの王キュロスがバビロンを倒し、そこに囚われていた諸国民に寛大な処置を取り、故国に帰還させるという政策をとったことが記されています。キュロスは諸国民の宗教にも寛大な政策を取りました。ですから、バビロンからペルシャに移り変わったことが分かります。




The Tomb of Cyrus the Great by A.Davey(cyrus1)
ユネスコ世界遺産 パサルガダエにバビロンを倒したキュロスの墓がある


 古代ティルスは、やはり一時は商業的に成功した繁栄していた都市でしたが、「海が波を起こすように」エホバが、「多くの国々の民を起こしてあなた(ティルス)を攻めさせる。」ことが預言されていました。また、ティルスは、「海の中で引き網の干し場となる」ことが預言されていました。(エゼキエル26:3-5)レバノンティルスは歴史的に、また現代でも諸国民の攻撃を受け、また現在引き網が使われる小さな漁港になっています。




Roberts&Haghe Tsur ancient Tyre April 27th 1839. (tyre2)
ティルスは引き網が干される漁港となった



Tyre air strike by masser (tyre)
ティルスは今でも他国から攻められている



 また、ペルシャ帝国をギリシャ帝国の強力な際立った王が攻撃し、短期間で倒壊させること、そのギリシャ帝国は、四つの帝国に分かれることが預言されていました。(ダニエル8:20−22)預言通り、ギリシャアレクサンドロス大王は、短期間で、ペルシャを倒壊させ、その後彼の王国は四つの王国に分かれました。




ペルシャ帝国の地図(persia)


アレクサンドロス大王の王国−ペルシャからギリシャに移り変わりました(alexander2)



 また、預言者ダニエルは、バビロンの王のネブカドネザルに与えられた夢の中で示された預言の説明をしました。それは、バビロンの時代から、神の王国が人間の政府による支配を打ち砕く時代までの概要を示す預言でした。この預言は、歴史上のすべての諸国家を網羅しているわけではなく、とりわけ神の民と関係した諸帝国の歴史の概要を示していました。その夢の中で、王は、金、銀、銅、鉄、粘土と鉄でできた大きな像が、その足の時代に山から切り出された石によって粉々にされるのを見ました。(ダニエル2:32−36)




夢の像の預言によると人間の世界帝国は移り変わっていき最後の王国の時に神の王国によって終わってしまいます(Nebuchadnezzar1)



 聖書には、数多くの預言が含まれていますが、その預言は互いに調和しており、互いに詳細な点を補足しあって、説明しています。ですから、聖書中の他の預言を考慮することによって、ネブカドネザルの夢の像の預言を理解できます。すると、金はネブカドネザルで表されたバビロン、銀はバビロンを倒壊させたペルシャ、銅はペルシャを倒壊させたギリシャ、鉄はギリシャを倒壊させたローマ、またそこから派生して出てきた諸国家、また後代に登場したアメリカを表しているということになります。(ダニエル7:7,8)


 そして、その預言によると、その像の足は鉄と粘土の王国になることになっています。今、アメリカが支配していますから、私たちの時代は王の夢の像の脚部の鉄の部分にあります。ですから、時が経てば、脚部の時代から足の時代に変わっていくことになります。


 ですから、゜聖書は山から切り出された石で表された神の王国が、最後に人間の政府全体を打ち砕くことを予告しています。そして、神の王国が、地上全体を永遠に支配することになっています。(ダニエル2:44)


 エホバ神は、予知力のある方なので、人間歴史全体をその終わりに至るまで、見渡すことができます。それで、人間歴史の大きな流れを理解することができます。


 世界帝国が、バビロンから、ペルシャギリシャ、ローマ、そしてアメリカに移り変わるという聖書預言は、成就してきました。また、聖書は、現代と将来に関しても預言しています。


 エスが神から権力を与えられて、天に王として再臨することを予告しています。私たちはその特定の日時を知ることはできませんが、イエスが再来していることを知るのに助けになる地上の出来事は、知ることができます。そのことを示す出来事の中には、戦争、食糧不足、地震津波、サイクロンや台風などの嵐、不法の増加、社会の道徳基準の低下、そして未曾有の大患難などがあります。(マタイ24:3,7,12,36。ルカ21:29)




Aerial Bombing by The National Archives UK (airraid)
預言された通り私たちの時代に戦争・・・


Refugees queue for water in the Jamam camp, South Sudan by DFID - UK Department for International Development (foodshortage)
食糧不足・・・



大船渡0819 by live73(earthquake)
地震・・・



Earthquake and Tsunami Japan by CECAR - Climate and Ecosystems Change Adaptation R (tsunami)
津波が起きてきました



 まだ、大患難は起きていません。しかし、イエスが予告されたそれらの多くの出来事は、今成就しています。ですから、このことは、今、イエスが天で神から権威を与えられる時が近いこと、神の王国が全世界を支配する時が近いことを示しています。(ルカ21:29−31)



Fig leaves by Stepheye(fig1)
これらの預言の成就は大患難が近いこと神の王国の支配が近いことを示しています



 聖書の過去の預言も成就してきました。聖書の預言の成就は、その預言の源となっている神が、将来に起こることを予知でき、ご自分の目的を成就することのできる方であることを示しています。聖書は、エホバの口から出て行くエホバの言葉は、「確かな成功を収める」と述べています。(イザヤ55:11)ですから、聖書がこれから起こると予告していることも必ず起こることを信頼できます。


 聖書は、今回説明していない現代に関するもっと詳細な預言をしています。それらを調べれば、わたしたちの時代を賢明に生き抜く方法を知ることができます。これからも、聖書の預言を調べて、預言がどのように成就していくかに注意を払いましょう。(ペテロ第二1:19)


そして、預言に調和して、賢く生活して、神からの救いを得られるようにしましょう。聖書の預言の成就を調べることによって、私たちは、預言の神エホバ神の全能性に対する信頼を深めて、私たちの日々の生活において、神を中心にして生活するよう促されます。



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