核兵器を開発すべきですか - 聖書の描く地球の今と将来

多くの国家は核実験をたびたび行ない核兵器を保有しています。多くの国は、核兵器の保有は戦争の抑止になると考えています。核兵器を開発するのは正しく賢明なことですか。考えてみましょう。

アメリカは大量の核兵器を保有しています。また、近年に至るまで核実験を繰り返しています。また、ロシア、イギリス、フランス、中国の五大国のほか、インド、パキスタン、北朝鮮が核兵器の保有を表明しています。また、イスラエルも公式な保有宣言はしていないものの、一般的には核保有国とみなされています。

U.S. nuclear weapon test Ivy Mike, the first test of a thermonuclear weapon (hydrogen bomb)
米国の水爆実験1952年10月31日−アメリカは核実験を繰り返しています

核兵器は非人道的な兵器です。なぜなら、それは使用されるならば、兵士の命も一般人の命も無差別に大量に奪うからです。また、放出された放射性物質による障害がその後も長期間にわたり無実の人々を苦しめます。

第二次世界大戦末期1945年8月6日アメリカ軍は、人口35万人の日本の広島に原爆を投下しました。被爆から2〜4カ月以内に9万〜16万6千人が死亡したと推計されています。さらに、8月9日には、アメリカ軍は、日本の長崎市に対して原爆を投下しました。これにより、当時の長崎市の推定24万人のうち約14万9千人が死んだとされています。

Hiroshima Atomic Bomb Art #1 by poplinre (atomicbombhiroshima)
広島に投下された原爆は直後に大勢の一般市民を殺しただけでなくその後も多くの一般市民が癌や白血病で命を落としました

大量の放射線を浴びた被爆者は、その多くが白血病を発症しました。その後は癌の発症が増えました。多くの臓器に繰り返して癌を発症する例がしばしば見られました。白血病も、がんも被爆後すぐではなく、数年経ってから増加が始まりました。今でも、がんやガン以外の疾患の増加が被爆者に見られます。ですから、核兵器は、無実の市民に長年苦しみをもたらします。

核兵器は、兵士だけでなく多くの一般市民の命を奪います。エホバは、人々の血を無差別に大量に流すことに反対されています。昔、アッシリア帝国は、冷酷な軍事行動と残忍さで知られ、周囲の諸国家を攻撃して大量の死者を出しました。（イザヤ37：12，13)アッシリアが行ったことについて、「討ち殺された多数の者，大量の死がい。死体は果てしなく続く。彼らはその死体の中で幾度もつまずく。」と描写されています。(ナホム3：3)

それでエホバはアッシリアの首都ニネベを「流血の都市」と呼び、敵対されました。（ナホム3：1)アッシリアはその軍事行動のゆえに無敵であると見えたかもしれません。しかし、「エホバが[アッシリア]の上にご自分の懲罰の棒を振り下ろす」、また「[神]は・・・彼らと戦われるであろう。」と予告され、それは成就しました。（イザヤ30：32)アッシリアは、バビロンによって倒されてしまいました。

The Royal lion hunt reliefs from the Assyrian palace at Nineveh, dead lions and a lioness, about 645-635 BC, British Museum by Following Hadrian (assyria1)
アッシリア帝国は人や獣を残虐に殺すことで知られていました−神は流血の都市ニネベと戦って滅ぼしてしまわれました−エホバは流血を行う国家を滅ぼしてしまわれます

バビロニア年代記（大英博物館）は，西暦前632年中に行なわれた，バビロンの王ナボポラッサルとメディア人との連合軍による攻囲の後にアッシリアの首都ニネベが陥落したことを述べています。「その都を[彼らは]廃丘や（がれきの）山[にした]」と記されています。（「古代近東テキスト」，J・B・プリッチャード編，1974年，305ページ）残忍なアッシリア帝国は終わりました。

エホバが大量の死者を出したアッシリアに敵対し、滅ぼしてしまわれたことは、エホバが無差別に大量に核兵器を使う諸国家に反対されていることを示しています。

聖書は「上位の権威」である国家が「悪を習わしにする者」に「剣」を行使することを容認しています。（ローマ13：4)しかし、人々の命を無差別に無慈悲に奪うことにエホバは反対されています。「血を流（す）者をエホバは憎み嫌われます。」（詩編5：6)エホバは、また「暴虐を愛する者を憎（まれる）」神です。（詩編11：5)

さらに、「潔白な者や義なる者を殺してはならない。」と聖書にあります。（出エジプト23：7)ですから、罪のない一般市民の命も邪悪な人の命も無差別に奪う核兵器はとりわけエホバのご意志に反しています。

ですから、国家が核兵器を使用するならば、罪のない市民に対する流血の罪を犯すことになります。それは、エホバの怒りを招き、エホバはその国家に敵対し、滅ぼされるでしょう。ですから、そうしたことを避けるために国家の指導者に核兵器を開発したり使用したりしないようにお願いしたいと思います。