ルカ17章・北の王の総攻撃をどのように生き残るか


「その日、屋上にいる人は、家財が家の中にあっても、それを取りに下りてはならず、野に出ている人も、後ろのものに戻ってはなりません。ロトの妻のことを思い出しなさい。」(ルカ17:31,32)

 今回は、大患難をどのように逃れるかを検討したいと思います。


 エスは荒廃をもたらす嫌悪すべきものが聖なる場所、立ってはならない所に立っているのを見かけるなら、その時、ユダヤにいる者は山に逃げ始めなさいと言われました。(マタイ24:15。マルコ13:14)


 その時は、屋上にいる人は降りてはなりませんでした。(マルコ13:15。マタイ24:17。ルカ17:31)また、「野に出ている人」に後ろに戻らないようにと言われました。(マルコ13:16)このイエスの言葉は何を意味しますか。


 荒廃をもたらす嫌悪すべきものとは、大患難である世界戦争の前に北の王によって設立される新しい国際組織です。そして、その組織が「聖なる場所」に立つとは、それが政治組織であるにもかかわらず、自分を神の立場に置いて諸宗教を統制しようとすることを意味していると思います。(マタイ24:15)


 ダニエル書の中でも、北の王が「自分を高め、自分を大いなるものとしてあらゆる神の上に高める」ようになることが預言されています。(ダニエル11:36)ですから、北の王も、あらゆる諸宗教を統制しようとすることが預言されています。また、その組織は、おそらく将来クリスチャンに宣べ伝える業をいっさいやめるように命じるでしょう。(ダニエル11:31)


  北の王と北の王によって設立される国際組織がそのような行動を取る時が、ぐずぐずせずに行動すべき時だと言えます。それは、大患難が始まることを指し示す前兆だからです。その時は、アメリカの外に住んでいる人々も、山間部に移動するべきです。(マルコ13:14)また、アメリカに住んでいる人も、一刻も時間を無駄にせずにアメリカから出て山間部に移動することが必要です。(啓示18:4)


 北の王の攻撃はどのようなものになるのでしょうか。ダニエル書の言葉使いによると、北の王の軍勢は、大量破壊兵器を使うというよりは、人海戦術をとるようです。なぜなら、「北の王は兵車と騎手と多くの船とをもって強襲する。彼は必ず[多くの]土地に入り,みなぎりあふれて通り行く。」と預言されているからです。(ダニエル11:40)


 北の王の軍隊は、南の王の領地に攻め入るのですから、自分たちが攻めていく場所に対して大量破壊兵器はおそらく使わないでしょう。

 おそらく、その時までに、大量破壊兵器を削減する諸国家の努力がある程度成功しているのでしょう。しかし、そうなっても、通常兵器は、依然として用いられているでしょう。

 
 エスは、その時、「野にいる人」は家に帰ることがないようにと言われています。(マタイ24:18。マルコ13:16)まず、「野」とは何を意味するでしょうか。関連する聖句では、「都の中にいる者はそこを出なさい。田舎にいる者は都の中に入ってはなりません」と言われています。(ルカ21:21)それで、「野」は「田舎」でしょう。また、「野のゆり」、「野の草木」という言葉が聖書にありますから、野とは自然の豊かな「田舎」ということになるでしょう。(マタイ6:28)


 ですから、イエスは嫌悪すべきものが聖なる場所に立っているのを見かけるなら、山や田舎に逃げるように、そして田舎にいる人はそこに留まって都すなわち人工密集地に戻らないようにと言っておられます。(ルカ21:21)野にいる人が後ろに戻ってはならないとは、家財や衣類を手に入れるために出て来た都会の家に戻ることを禁じているでしょう。

 
 一世紀のクリスチャンがエルサレムから移動した先は、山間部のペラという町でした。そこは、ある程度は人口が集まっていた所でした。ですから、山間部や田舎であれば、ある程度人口がある所でも、おそらく命を守ることができると考えられます。


  また、イエスは、屋上に留まり、家の下に降りないように勧めておられます。(マルコ13:15,16)多分、これも理由があると思います。その時、家の家財が置いてある下の方の部屋は、攻め寄せる大勢の兵士によって略奪されるのかもしれません。これが一番可能性が高いと思います。あるいは、その時用いられる兵器が、家の中の下の方だと危険になるという兵器になるのかもしれません。それで、大患難の時、おそらく屋上にいるようにすればより安全なのでしょう。






(rooftop4)エスが大患難の時は家の屋上にとどまるように勧めています




  私は、以前大患難の時に、「奥の部屋」つまり個人の私室であれば、安全であると考えていましたが、大患難に関してはイエスの言葉の方が確かなことを言っておられると思います。以前の私の解釈で既に行動した方がいたらすみませんでした。


 また、イエスは、家の中に入らないようにとさえ、勧めておられます。(マルコ13:15。マタイ24:18)ですから、山や田舎で、屋上のない家の場合は、野外の方が安全なのかもしれません。


 しかし、もし、戦闘が行なわれる時が、その地方で冬の季節であると、屋上や野外に留まるというのも、大変寒く、長期間は大変でしょう。(マタイ24:20)屋上ならば、食物を前もって蓄えておくこともできますが、野外だと飢えることにもなるでしょう。(ルカ21:23)是非、自分の地方が大患難が生じる時、冬期にならないように祈るべきです。(マルコ13:18)


  エスが、ロトの妻のことを指摘されたことは、一刻も無駄にせず懸命に逃げるべきであり、都会の家の中にある家財のために時間を取られないようにということを勧めておられるのでしょう。聖書は大いなるバビロンの滅びがきわめて短期間で「一日のうちに」生じると述べています。(啓示18:8)


  都会の住居をきちんと処分するのは、時間がかかると思います。そうすることに手間取る余裕はないのでしょう。また、いったん家を出た後に家財を引き取るために自宅のある都市に戻ることはロトの妻のように自殺行為であることを意味しているのでしょう。





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エスはロトの妻のように家財のために命を失うことがないように警告されました―時間があるうちに行動しましょう




  では、今、都会に住んでいるならどうしたら良いでしょうか。聖書は、災いを前途に見るならば、前もって「身を隠す」ように勧めています。(箴言22:3)ですから、北の王がそのような行動をとる直前になって行動するよりも、前もってアメリカの国外に出て山に移動している方が賢明であると言えます。


  とりわけ、アメリカに住んでいる人は、そこで聖書に従う人々に対する迫害が起こる前にアメリカから出る方が賢明だと思います。(啓示17:6)お金の余裕のある人は山間部に土地や家を買っておくのが賢明です。そのようにして、前もって大患難の前に準備をしておくことができます。