創世記1章・神はなぜ動物を造られたのですか

「神は言われた,『わたしたちの像に,わたしたちと似た様に人を造り,彼らに海の魚と天の飛ぶ生き物と家畜と全地と地の上を動くあらゆる動く生き物を服従させよう。』」(創世記1:26)


神は、人間に対する愛ゆえに、人間にご自分を崇拝しながら生きる喜びを経験して欲しいと願われて、人間を創造されました。(ヨハネ第一4:8)では、神はなぜ動物を造られたのでしょうか。


エホバ神は、人間を造られる前に、後で地上に来てイエス・キリストとなられたご自分のみ子に冒頭の聖句のように、言われたことが聖書に記されています。ですから、海と空と地上のあらゆる生き物は、人間に服することになっていました。これは動物だけでなく、昆虫などの生き物も含まれるでしょう。それらの生き物は人間の喜びや利用のために造られていました。


人間は最初どのように動物や鳥と関わったでしょうか。「エホバ神は野のあらゆる野獣と天のあらゆる飛ぶ生き物を地面から形造っておられたが,人がそれぞれを何と呼ぶかを見るため,それらを彼のところに連れて来られるようになった。そして,人がそれを,すなわちそれぞれの生きた魂をどのように呼んでも,それがすべてその名となった。」と聖書は記録しています。(創世記2:19)


エホバはアダムがひとりでいた時、動物をひとつずつアダムのところに連れてきました。アダムは、その動物にひとつずつ名前をつけていきました。アダムは、エホバの創造のみ業を楽しみ、それを観察して多くのことを学んだことでしょう。


アダムが最初に学んだことは、動物はオスとメスのつがいになっていて協力して子育てをしているということだったでしょう。しかし、アダムは、自分には補う助け手はいないということを気づきました。(創世記2:20)ですから、アダムは動物から伴侶の必要性を学びました。





ですから、動物は、人間が、自分の生活について多くのことを気づいたり、学んだりするようにも造られていることが分かります。


さらに、記録に残されている人間のために動物が利用された最初の記録は、エホバがアダムとエバのために、動物の皮の長い衣を作られたことです。(創世記3:21)ですから、動物の体を衣類として利用するのは、許されていると言えます。


エデンの園以来、当初、人間の食物は、植物だけに限られていたのですが、ノアの日の大洪水後、変化した状況のゆえに、人間の食物に海と空と地上のあらゆる生き物が含まれることになりました。エホバは大洪水後、ノアにこのように言われました。


「生きている動く生き物はすべてあなた方のための食物としてよい。緑の草木の場合のように,わたしはそれを皆あなた方に確かに与える。」(創世記9:3)それで、人間が動物を食用にして利用することもエホバは許されました。


しかし、おそらく、楽園では、人間の食物として許されるのは、植物だけになって、エデンの園の最初の取り決めに戻っていくことが考えられます。(イザヤ11:7)


また、アベルやノアは、動物を神への犠牲として祭壇の上で捧げました。(創世記4:4;8:20)律法下でも、限られた種類の動物が祭壇で神への犠牲として用いられました。エホバは動物の犠牲を必要としておられるのでしょうか。動物の犠牲を、エホバは望まれないと詩編の中で言っておられます。詩編50編の中で、エホバは産出的な地とそこに満ちるものは、ご自分のものであり、雄牛の肉を食べたり、雄やぎの血を飲んだりはされないと言われました。そして、動物ではなく、感謝のことばを犠牲として神にささげるようにと言っておられます。(詩編50:10〜14)


それで、生き物は、基本的にエホバのものです。エホバは昔一時的に人間が神を喜ばせるために動物の犠牲を捧げると受け入れられました。それは、人間が神から受けたものを感謝して、何かを神に犠牲としてささげなければならないことを教えるためだったでしょう。そのようにして、エホバは動物の犠牲を用いて人間を教えられました。


ヨブ記には、人間が家畜や鳥や魚や地の生き物からも学べるということが書かれています。「どうか,家畜に尋ねてみよ。それはあなたを教え諭すであろう。また,天の翼のある生き物にも。そうすれば,それはあなたに告げるだろう。あるいは,地に関心を示してみよ。そうすれば,それはあなたを教え諭すだろう。海の魚もあなたに告げ知らせるだろう。これらすべてのもののうち,だれかよく知らないものがあろうか。エホバのみ手がこれをなさったことを。」(ヨブ12:7〜9)
 

生き物の本能や生態は創造者であるエホバの知恵と力を反映しています。人間は、そうしたエホバの創造物である生き物から多くの知恵を学ぶことができます。


例えば、バイオミメティックスという学問があります。この名称は,ギリシャ語で「生命」を意味する「ビオス」と,「模倣」を意味する「ミメシス」から来ています。それは、いろいろな生き物の体の造りに見られる設計やデザインを研究して、それをまねるという学問です。その学問は、新製品の開発や既存の機械類の性能アップを目指しています。


たとえば、技術者は驚くほど抵抗の少ないハコフグの体の設計から、車体の開発に新たな発想を得ています。





また、科学の様々な分野で専門的な研究を行なう人々の中には、インテリジェント・デザインつまり知的設計の証拠が自然界に見られると考える人たちがいます。それで、確かに、人間は神の創造のみ手の業から学んでいます。


それで、動物は人間の楽しみや喜びのため、また人間に役立つため、また人間がそれから学ぶために創造されています。しかし、動物が人間のために創造されているからといって、それを残酷に虐待しないようにとも聖書はこのように述べています。「義なる者はその家畜の魂を気遣っている。しかし,邪悪な者たちの憐れみは残酷である。」(箴言12:10)それで、生き物を愛や憐れみをもって気遣いつつ、それから学び楽しみを得ることにしましょう。


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