[聖書と考古学]創世記に出てくる場所は実在の場所

「これらの者たちがソドムの王ベラ,およびゴモラの王ビルシャ,アドマの王シヌアブ,ツェボイイムの王シェムエベル,そしてベラ(すなわちゾアル)の王と戦いをした。」(創世記14:2)

 最近では1976年に,イタリアとシリアの考古学者たちが,シリア北部で古代の都市国家エブラを見いだしました。エブラは聖書の中で名を挙げられていませんが,それらの名は族長たちの時代にまでさかのぼる古代文献に現われます。

 では,この新たな遺跡で発掘者たちのシャベルはどんな事柄を明らかにしたでしょうか。

 王宮の図書室で,西暦3000年期末から2000年期初頭にかけての粘土板が幾千点も見つかりました。

 フランスの週刊誌ル・ポワンは,1979年3月19日号でこの発見について報道し,次のように述べています。

 「固有名詞は[聖書にある固有名詞と]驚くほど似ている。聖書の中には,“アブラハム”という名があるが,エブラの粘土板には“アブラウム”がある。エサウエサウム,ミカエル―ミキイル,ダビデ―ダウドゥム,イシマエル―イシュマイルム,イスラエル―イシュライルといった具合いである。

 エブラの記録保管所にはソドムとゴモラの名を記した文書も見られる。これらの都市は聖書の中に出てくるが,学者たちは長い間その史実性を疑問視してきた。……それだけではなく,粘土板は旧約聖書に挙げられているのと全く同じ順序で,すなわちソドム,ゴモラ,アデマ,ゼボイム,ベラという順序でこれらの都市を挙げている[創世 14:2]。」

 ニューヨーク・タイムズ紙にボイス・レンズバーガーが書いたところによると,「聖書……時代の生活に関する知識の真実性を示し,その知識を増やす点で,[エブラ粘土板]は死海写本に匹敵すると考える聖書学者もいる」とのことです。
           (ものみの塔1981年1月1日号から転載)