啓示5・6章・第一の封印から第四の封印が開かれる

 啓示5・6章には、天でイエスが神の隠された啓示を明らかにされていく様子が説明されています。この預言は、イエスが天で王になられた後に成就します。ですから、啓示のこの預言は、マタイ24章、マルコ13章、ルカ21章にあるイエスの再臨のしるしの預言とも調和しているはずです。


 啓示5章によると、天の様子が描写されています。中央にエホバ神のみ座があり、そのみ座の真ん中に子羊がいます。(啓示5:6)子羊とはイエス・キリストです。その周りに四つの生き物がいます。(啓示4:6)


 エゼキエル書の中で四つの顔を持つ「生き物」はケルブであると記されています。(エゼキエル10:14,15)さらに、その周りに二十四人の長老たちが座っています。(啓示4:4。創世記5:6)その周りには、少なくとも数億ものみ使いたちがいます。(啓示5:11)


 二十四人の長老たちとは、天的希望を神から与えられている14万4千人のクリスチャンです。(啓示7:4)それらの人々は、「キリストの体」の一部となります。(コリント第一12:27)キリストとは「油そそがれた者」という意味です。彼らは、イエスキリストと同じように聖霊で油そそがれています。(使徒13:19)


 彼らは、地上にいる時は不完全で罪ある存在ですが、キリストの贖いのおかげで、神の子という立場を与えられています。(ガラテア3:26)それで、この地上にいても、比ゆ的に天のエホバ神のみ座の近くに立つ特権が与えられています。(啓示4:4)そして、彼らは神からの啓示を目の当たりにすることができます。




Wenceslas Hollar - Adoration of the lamb (lamb)
神のみ座の真ん中にイエスキリストがいてその周りにいる二十四人の長老たちはキリストの啓示を見る特権を与えられます
 
 
 しかしながら、この預言的な幻は、イエスが天で王になられた後に、天的召しを受けた者たちが、天に霊者として復活して全員が天に揃うことになることも示しているでしょう。


 エホバ神が内部にも裏側にも書き込まれた七つの封印で封印された巻き物を持っておられました。子羊イエス・キリストは、その巻き物をエホバ神から受け取ります。(啓示5:1,7)
それで、エホバ神が将来地上で起きることについて誰よりもよくご存知であって、エホバはその情報をご自分に対して死に至るまでの忠誠を立証されて、人類のための贖いをささげたイエスに明らかにされます。(啓示5:6,7)


 エスが七つの封印のひとつを開くと、四つの生き物ケルブのひとつが大きな声で、「来なさい!」と言いました。(啓示6:1)第一の封印から第四の封印が開かれる時、ケルブが「来なさい!」と叫んで馬が登場するよう招待します。


 最初のケルブの招待に応じて、白い馬が出てきました。その騎手は冠を与えられ、弓を持って、征服するために出て行きました。この騎手はイエス・キリストで、この幻は、イエスが天の王権を受けられて後、積極的に活動されることを表していました。(ルカ19:12,15)





Four Horsemen of the Apocalypse, (fourhorses)
キリストが王として臨在された後戦争・食糧不足・さまざまな理由による大勢の人々の死が起きます


 エホバの証人は、西暦1914年に、イエスが天で王権を受けられたと主張しています。しかし、私はイエスの臨在の日時は分からないのではないかと思います。なぜなら、イエスは、「人の子の臨在」について語っておられる文脈で、「その日と時刻についてはだれも知りません。」と言われたからです。(マタイ24:36,27)


 しかしながら、エホバの証人の述べる年代が間違っているとしても、イエスが王として臨在される時がイエスの追随者が王権を受ける時より前であるというという物事が起きる順番に関しての理解は間違っていないのではないかと思います。(ダニエル7:13,22)



 そして、イエスが王になられて臨在される時はおそらく大患難の前なのでしょう。なぜなら、イエスはご自分の臨在の証拠に大患難で大勢の人々が死ぬことを挙げられたからです。(マタイ24:27,28)この理解もエホバの証人は間違っていないと思います。


 そして、イエスが天で臨在し始める特定の日時が分からなくても、地上で起きる出来事を観察して、それは分かるはずです。(マタイ24:32,33)で は、イエスは、もうすでに天で王になっておられるのでしょうか。そうかもしれませんし、そうでないのかもしれません。しかし、イエスの臨在のしるしは一部は確かに成就していますが、すべては成就していません。


 私は、まだ世界中に大勢の死体が見られて鷲がそこに集まるという事態は起きていないので、まだ決定的にキリストが王になられたとは言えないのではないかと思います。大患難が起きて大勢の人が死ぬことは、キリストが確かに王になられたことの決め手になるのではないかと思います。


 エスが次に第二の封印を開くと、火のような色の馬が出て来ました。そして、その騎手には、人々がむざんな殺し合いをして地から平和を取り去ることが許されました。(啓示6:3,4)火のような色の馬は、戦争を表しています。福音書のイエスの臨在に関する預言も国際的な戦争が起こることを預言しているからです。(マタイ24:6,7)


 国際的な戦争はすでに起きています。しかし、この戦争はとりわけダニエル11章に予告されている北の王が南の王に三度の総攻撃をかけるという国際紛争を意味しているのではないかと思います。第一回目の北の王による南の王に対する総攻撃の時も、「彼の軍勢についても、それは押し流され、多くの者が打ち殺されて倒れる。」と予告されており、大勢の死者が生じることが預言されています。(ダニエル11:26)


 北の王の三度目の攻撃の大患難の時には、当然、もっと数の多い死者が生じるでしょう。(ダニエル11:40,42)


 次に第三の封印が開かれると、黒い馬が登場します。(啓示6:5)この黒い馬は、食糧不足を表していました。福音書のイエスの臨在の預言の中で、戦争の次に食糧不足も起こることが預言されていました。(マタイ24:7。ルカ21:23)


 次に、第三の封印が開かれると、青ざめた馬が出て来ました。その騎手には、「死」という名があり、その馬にはハデスが従っていました。長い剣と、食糧不足と、死の災厄と地の野獣によって地の四分の一を殺しました。(啓示6:7,8)これは、第二の馬、第三の馬、第四の馬によって人々の命が奪われることを示していると思います。


 死の災厄とは、疫病など剣で殺される以外で命を失うことを意味しています。(エレミヤ15:2。啓示2:22,23)現在でも、エイズエボラ出血熱などいろいろな疫病で人々の命が奪われており、それらがさらに一層世界的に流行するのではないかと心配されています。



Measuring an HIV patient's CD4 count at the Kyabugimbi Health Center in Uganda. (aids3)
疫病によって大勢の死者が出ることはキリストの臨在の証拠のひとつです


 野獣は、聖書の中で「王」つまり政府を表しています。(ダニエル7:17)ですから、地の野獣によって殺すとは、国家が戦争だけでなく人々に対する虐待によって人々の命を奪うことも意味しているでしょう。


 韓国やイスラエルなど国によっては、良心的兵役拒否のため人々が投獄され命を失っています。国家の迫害によっても死者が出ることを裏付けています。


 アメリカでは、国内の多くの強制収容所が建設されており、それらが一般市民の迫害と虐殺に用いられることになるのではないかと心配されています。そのようにならないことを希望します。


 これらの預言的な幻の一部は確かに現在成就しています。こうした出来事が私たちの周りで起きるのを見るとき、それは、イエスが「戸口にいる」こと、すなわちイエスが天で王になられる時が近いことを示すのかもしれません。(マタイ24:32,33。マルコ13:28,29)少なくとも、イエスの再臨は近いと言えますから、クリスチャンは緊急感を持つべきだと言えます。


 私たちは、「その日もその時刻も知らない」のですから、これからも、聖書の預言の研究を続けて、イエスの再臨に関連してどんな出来事が地上で起きることになっているのかを調べ、その預言の成就を見張っていたいと思います。(マタイ24:42;25:13)





聖書の預言の成就を見張っていきましょう
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